1992年に光洋精工㈱(現㈱ジェイテクト)へ入社し、30年間一貫して工場の人事総務業務を担当しました。社労士を目指したのは、入社して20年くらい、大阪にいた頃です。家庭のことや、仕事の
こと、将来の自分のことなど、何もかも考えるのが嫌になっていた時期があり、それが原因かどうか分かりませんが、肺結核を患い3カ月間入院しました。自分自身の情けなさや、何よりも会社の方々への申し訳なさで苦しみましたが、振り返ると、一方では「今までの、これからの」自分を
見つめ直す本当に貴重な経験となりました。
ベッドで悶々と、何てことをしてしまったんだ、病気をうつしてしまっていたらどうしよう、
と悩みました。
そんな本当にしんどかったとき、何となく始めた資格勉強ですが、時間だけはたくさんあったのと、担当業務であった労働社会保険を掘り下げる内容は非常に興味深く、昔から何をやっても長続きしない私でも続けられました。
働けることの有難さや目標を持つことの大切さを改めて実感しましたが、この経験で何よりも私の意識に影響を与えたのは、復職にあたり、温かく迎えてくれた上司や職場メンバー、同僚や現場の方々への感謝の思いです。
特に私の病気のせいで病院へ検査に行ってもらったり、薬を服用してもらったりと、ご本人だけ
でなくご家族にまで心配やご迷惑をかけてしまったことに対し、誰一人それを口にすることなく、笑顔で「よかったなあ」「また頑張れよ」。。。すぐに以前同様の付き合いをしていただいたことです。
感謝すること、誠実であること、相手を思いやること、は今も私のモットーです。
労務管理の仕事はつらいことも多々ありますが、人と本音で話し、本気をぶつけ合うなかで味わえるやりがいもまた格別であり、何時かは自分のライフワークとして、この仕事で社会に貢献したいと考えるようになりました。
今年55才を期に同社を退職し、開業しました。